誰かが見ている

誰もが忙しい。

営業のSさんがK藤ちゃん担当のある製品の売り上げデータを採ってと頼みに来た。
K藤ちゃんが
「今採っても昨年12月の売り上げデータがまだ全部反映されてないし・・・（ブランドリーダーの）みなとさんに聞いてみて。」
とふったらしい。
Sさんが
「みなとさん、○○のデータ採れる？」
と聞きに来た。
「わかりました、採ってメールします。」
で、今の時点のデータを採って、メール＆出力したものを渡す。
それで十分だったみたい。
営業さんはみんないっせいに05年の自分の成績の総括と06年の予算作りをしているので、こういう依頼が今すごく多い。
営業さんが自分で簡単にデータが採れないうちの会社の仕組みに問題がある。
インターフェースや設定が複雑すぎる上に、データが重くて落ちるのに時間がかかる、その上、採ったあと関数入れたり見栄え整えたりひと手間かかるのだ。

隣の席の若者クンが
「みなとさん駆け込み寺っすね。」
「まぁ営業さんにはアノ企画の注文一気に取ってきてもらったからね。あたし的に今文句言えない感じ？(笑)」

アノ企画のときに
「みなこ、あといくら足りないんだよ。」
と営業のMさんに聞かれて
「あと320万・・・。」
「わかった。」
Mさんが自分の配下の営業さん達の携帯に次々に電話してくれて
「あと1人40万だ。とってきてくれ。」
で、即座にSさんから折り返しが来て
「みなとさん。○○販売店から40万円分注文もらったから。」
すぐ動いてくれた人には、すぐ動いて恩返ししないとね。

「でも俺が営業でもみなとさんに頼みますね。ゴディバのチョコレートとかなんか貢ぎ物しながら頼みますけど。」
「そうだよねええ！それが大人の作法よねえ！」
とかなんとか無駄話。

正直、なんか理由つけて人にふる人に不快な気持ちもしたけれど、忙しいのは誰も一緒だしね。
人のことを批判したりひがんだりするよりも、自分の美学に忠実に働くべきだ。
誰も見ていなくとも神様が見てる。
と思った。