豚の死なない日

2004年8月16日
"豚の死なない日""感想"でさんざん検索がかかっていて、なんだか申し訳ないような気がする。
どこぞで夏休みの読書感想文の課題図書にでもなっているのでしょうか。
まぁそんな本だね。確かに。

参考になるかどうか怪しいんですけど、一応あらすじとポイントを。
読めば誰でもわかることですが、主題は
・家族愛
・父子愛
・息子の自立
なわけです。
読む側は、父親の気持ちに寄り添って読むか、あるいは息子の立場に寄り添って読むかで、感じ取ることが微妙に違ってくるんでしょうね。
父親は自分の死期を察して、病をおして農家の仕事や豚のことをひとつひとつ息子に教えてゆくわけですが、
一番大きな贈り物は、そういったスキル的なことではなく、
「お前はもう一人前だ、お前ならできる。お前なら家族を守ることができる。」
と自信を与えて逝ったということですね。
今の世の中で、子供にまず生きるすべをちゃんと教えることができる親が少ないうえに、
「お前はもう一人前だ。」
と子供をありのまま100%受けとめた上で自信を与えてあげられる親も少ないと思う。
わたしの場合は親の立場に立って読んだので、そういう感じ方をしました。
息子の立場になって読むとどうでしょうね。
貧しくて口数も多いわけではない父親の背中を見て、その大きさをしっかり感じ取っている息子。
やはりこれは「農業」という職業のせいかも。
親が勤め人だと、子供は親が働いている姿を直接目にしないし、目にしたとしても、自分の親が一体何の役に立っているのか、明確にはわかりにくいもんね。
豚の品評会や、アクシデントを経験して、
「早く一人前の農夫になりたい。」と強く思うようになる。
少年から男に、息子から一家の主に成長してゆくわけです。
自分が息子の立場で読む場合、大人になるきっかけがつかみにくいこの世の中で、一体どこでどうやってきっかけをつかむのか、何がきっかけになれるのか、そういうことを考えながら読んでみるといいかもしれない。

というわけで夏休みもあと2週間だぞー。

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